阪神大震災以後、PTSD(心的外傷後ストレス障害)が、大きな事件の直後に騒がれますが正確には今回のような被災や大きな事件後一ヶ月はASD(急性ストレス障害)で自然治癒の可能性が十分に残っています。
PTSDは一ヶ月経っても悪夢など何もなくても体の具合が悪い状態が続いたり、パニック発作などが複合的に起こるものです。現段階では適切な対応によってPTSDではなくASDで抑えられます。人間は、自然の治癒力をしっかり持っています。
1.被災した方を注意深く見守るようにしましょう。普段と違った様子はないか、顔色は大丈夫か、声を詰まらしていないか、無理をしていないかなどストレスを感じている様子がないかしっかり見て上げて下さい。
2.無理に話しかけたり,話すことを強いたりしないようにしましょう。話すことで楽にもなりますが、時間を掛けて自分で考えを整理できる人もいます。見守ることも時には大切です。
3.体験を話してきた時には、話を遮ったり、否定したりせず,しっかりと聴いてあげてください。いわゆる「傾聴」です。うなずきながら、とにかく聴くことに徹して下さい。
4.無理に励ましたり、元気付けたりせず、気持ちを丁寧に受け止めるようにしましょう。プロでない人は相手の発言を繰り返すのが良いと思います。「~なんだね」と相手の言ったことをオウム返しのようにして語尾に「~なんだね」などを付けて語尾を柔らかくして下さい。
5.特に子どもが刺激に過敏になっていると感じたら,寄り添って一緒にいて下さい。できれば手を握ったり、背中をトントンしたり、さすったりして上げて下さい。泣いたら、抱きしめて上げて下さい。
5.体の不調が出たときには、ゆっくりと休ませてください。交感神経過敏になっています。不眠の症状がでていなくても眠りが浅い場合があります。また、発熱等が精神の疲れから出ることもありますので、すぐに医師に受診させて下さい。
被災した方以外でもテレビでで震災の津波映像などを見たりして、無力感や恐怖を感じ、余震情報に身震いしてしまう人がいると思います。しかし、あなたは無責任ではありませんから、「自分がしっかりする」と奮い立たせて下さい。
あなたには『復興』の手伝いという重大な責務があります。今回の震災は未曾有の事態です。いつ復興が終わるか分かりません。長期化するでしょう。その体力と精神力を失わないで下さい。あなたの元気が、あなたの普段通りの生活が被災地の方の勇気や希望になります。
止まない雨はありません。
今は悲しみの雨でも日本が一丸となって復興に力を合わせれば、世界で唯一原爆を投下され、阪神大震災、中越沖地震など様々な災害から日本は復興してきました。被災していない方は、『今回の震災はもう一度日本が目を覚ます最後のチャンスだ』と思ってがんばりましょう!
被災者の心的ストレスに関しては下記サイトがわかりやすいと思います。
http://www.disaster-nursing.com/disaster_nursing/problem_of_mind/
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