◆平成23(2011)年11月30日 河北新報
震災遺児 22歳まで支援金支給 宮城県方針
宮城県の「東日本大震災みやぎこども育英募金」を原資とした震災遺児への支援金
について、県は29日、対象の遺児が原則22歳になるまで支給を継続する方針を決め
た。「18歳まで」の当初方針を見直し、対象を拡大。同日提出した一般会計補正予算
案に事業費2億8658万円を計上した。
支援金は修学費用に充ててもらうのが狙いで、成長段階に応じ金額を設定。毎月1
回の定額分と、進学に備えた一時金を組み合わせて支給する。他の奨学金制度などの
利用者も受給できる。定額分は中学生までが月1万円、高校生が2万円、大学生は3
万円。一時金は小学校入学時10万円、同卒業時15万円、中学校卒業時20万円、高校卒
業時60万円とした。支給期間は大学卒業の年齢を想定し「原則22歳まで」としたが、
医学部や薬学部など6年制もあるため、県議会11月定例会の議論を踏まえて最終決定
する。議決後に支給要綱を策定し、年明けから申請受け付けを開始。年度内に支給を
始める。県子育て支援課によると、29日現在の支給対象者は、震災で両親とも失った
126人と父親か母親のいずれかを失った712人の計838人。こども育英募金には個人や
企業・団体から寄付の申し出が相次ぎ、14日現在で約17億4200万円が集まっている。
◆平成23(2011)年11月30日 西日本新聞 朝刊
九州・沖縄「自立援助ホーム」 福岡市に連絡協
親に頼れない九州・沖縄の15歳以上の子どもを受け入れる自立援助ホーム10施設な
どの連携を図る「九州地区自立援助ホーム連絡協議会」が29日、福岡市内で発足し
た。施設間の情報交換や新たな施設の開所相談に応じる。
自立援助ホームでは、高校卒業や中退で児童養護施設を退所したり、虐待で児童相
談所に保護されたりした無職少年に住む場所を提供し、人間関係や金銭管理など自立
に必要な指導をする。近年は虐待被害者も増え、精神面でのサポートなど支援のあり
方も多様化しているため、施設間で円滑な情報交換をしようと協議会が発足した。設
立総会のあいさつで澤田正一代表は「いま子どもに何が必要かをともに考え、援助の
質を高めていきたい」と話した。
◆平成23(2011)年11月30日 時事通信 官庁速報
被虐待児ケアで医療・教育・福祉連携 =東京都
東京都は2012年度、心理治療、教育、生活支援の三つの機能を備えた新たな児童養
護施設の検討に着手する。虐待などで心に深い傷を負い、一般の民間児童養護施設で
のケアが困難な子どもの受け入れを想定。都立の児童養護施設への併設に向け、課題
の整理や関係機関との調整を進める。都福祉保健局が同年度予算要求で関連経費100
万円を計上した。
都は07年度から、虐待を受けた子どものケア充実に向け、従来型の児童養護施設に
精神科医や治療指導担当職員らを配置する「専門機能強化型児童養護施設」の整備を
始めた。しかし、こうした施設でも、心理的な障害が特に大きく集団生活の中で著し
い不適応を起こしている子どもを抱えるのは困難だとして、都児童福祉審議会が08年
8月の提言で、三つの機能を備えた施設を検討するよう都に求めていた。提言は、ケ
アの土台となる生活支援について、小規模ユニットを基調とし、「治療的養育」に必
要な職員体制を確保するよう要請。その上で、精神科医らが適切に個別・集団療法を
施すことや、日常生活の中でのきめ細かな個別的学習支援やグループワークなどを提
供することを提案している。都は、この提言に沿って機能連携の仕組みについて検討
する方針。医療機関などの協力を取り付けた上で、早ければ13年度にも施設の試行的
な運営を始めたい考えだ。
◆平成23(2011)年11月30日 中日新聞
【愛知】本庁に虐待対応グループ 名古屋市が設立方針
名古屋市名東区で中学2年生の服部昌己君(14)が母親の交際相手に暴行され、死
亡した事件を受け、市は29日、本庁内に児童虐待問題に対応する専門グループを設立
する方針を明らかにした。児童相談所の人員増なども含め、総合的な対策強化を図
る。2012年度当初に関連予算が計上される見通し。
専門グループは子ども青少年局内に置き、部長級をトップにすえる。これまで同局
内で児童福祉と並行して実施してきた虐待対策を分離、強化。県と県警、各区役所な
ど関係機関との連携や、全市的な施策を統括する。今後、人員や予算規模を早急に具
体化する。このほか、現在、市内2カ所の児相で計10人しかいない児童心理司や、一
時保護の判断にかかわる児童福祉司の増強も検討する。名東区の事件では、昌己君が
家庭訪問した児相の職員に対し、顔のあざを「階段の手すりに当たった」と説明。児
相が一時保護を見送る一因となった。虐待事案では子供が暴力におびえ、被害を申告
できないケースが多く、きめ細かな対応を目指す。
29日、市議会本会議の個人質問で自民の藤田和秀議員(瑞穂区)が「命にかかわる
問題であり、一刻の猶予も許されない」と専門グループの必要性を強調。河村たかし
市長に対し、庁内の人員調整ではなく、専門性の高い職員の純増で構成するよう迫っ
た。河村市長は「(庁内で)よく相談して進めていきたい」と設立に前向きな姿勢を
見せたが、行政改革に逆行する職員の純増には「この場では勘弁してほしい」と明言
を避けた。
◆平成23(2011)年11月29日 毎日新聞 朝刊地方版
名古屋・名東区の中2暴行死:事件受け、加害者更生でプログラム−−市方針 /
愛知
名古屋市は28日、名東区で中学生2年の男子生徒が虐待を受け死亡した事件を受
け、保護者ら加害者の更生プログラムを策定する方針を市議会本会議で明らかにし
た。自治体として取り組むのは国内でも珍しいという。
市子ども福祉課によると、これまで加害者に対しては、児童福祉司が家庭訪問や児
童相談所での相談の中で指導してきた。今回の事件で、新たにプログラムを作り対策
を強化することにしたという。本会議で住田代一副市長は事件について「関係者に本
当に悲しい思いをさせてしまった。今が正念場だ。もう一度、職員一丸となって虐待
根絶に取り組んでいく」と決意を表明した。
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