「未来は方向であり、過去は蓄積である。時間というものに方向が不可欠だとするならば、生命にとって唯一の時間は未来への前進であって、過去は時間ではない。」
(『あいだ』木村敏・ちくま文庫)
時間という概念にいつも苦しんで考えると、この言葉が頭に浮かぶ。
木村敏は、いつも中井久夫よりも自分に馴染む概念を提示してくれる。
木村敏の離人症の考えは、僕の解離性障害のメカニズム分析のベースとなっている。
解離の概念が肥大化してきた昨今だが、ジャネやフロイトが脳科学では説明できない
「あいだ」を埋める概念となるのは、必然の流れだったのだろう。
全てを解釈し、説明できるわけがない。
しかし、次の世代へつなげるために、そろそろ何ができるか考える段階に僕も
入ってきたのかもしれない。
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