新しい知見があるかというと謎である。この本を読むには精神科にかなり精通していないと理解できないと思う。しかし、岩波氏は、精神科に詳しすぎる人間に対しての警告を書いているようにも見える。
SSRI批判にしても、SSRI単体処方よりもベンゾジアゼピン処方も混在することは多々ある。殺人事件などでの供述などで事件前に精神科の薬を大量に飲んだという供述もあるらしいが、SSRI単体が精神高揚を引き起こしたかは不明な点が多い。
さらに、厚生労働省の調査では平成8年から平成17年でうつ病患者は二倍になっている。これは、自戒を込めて言うとマスコミが「心の風邪」を宣伝したこともかなりの影響を与えている。
また、自殺にはうつ病の罹患率が高いことは否定できないが、失業率との相関関係が見られないのも日本特有の現象である。この辺はもっと社会学的な研究が進まないと見えてこないのだろう。
成果主義も自殺やうつ病の原因とされているが、アメリカとの違いは成果主義でも人生のキャリアコースが決まっていないアメリカと決まっている日本の差であるという。
うつ病という病気は精神科だけで扱いきれない非定型型うつ病・気分障害などもある。様々な機関が連携して、もっと予防を自然に社会の中に組み込む必要があるだろう。
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