この本が興味深いのはやはり著者二人が経営者で、しかも子育てもしているということである。
駒崎さんとは内閣府の会議に同行させて頂いたときに話をしたが非常に誠実で年下とは思えない頭の速さで話す人だった。僕も考えたことをすぐに話す人間なので、話すタイミングを譲り合ったのはご愛嬌(笑)
まず、共働き家庭は増えており、そもそも子どもを育てるとなったら、二人ともなれば夫一人の収入では限界がある。だからこそ、大黒柱ヘッドギアを外し男女ともに働けばいい。
それ以前に、結婚する前にポイントは真面目な話をして価値観の相違を事前に確かめることだ。結婚してから価値観が違ったというのはもはや紋切り型の既婚者の愚痴である。
我が家も結構真面目に話し合った。それでも価値観の相違は出てくる。特に妻は大阪、僕は埼玉、20歳から神奈川。関東対関西で、しかも妻は阪神ファン、僕は巨人ファンで結婚当時は、いちいち伝統の一戦では絶えなかった。しかし、それは事前に確認済みだったし、これは既にほかの夫婦に話すと「離婚の原因にもなるのにね…」と言われる。けれども、別に野球の好きな球団が違うだけで価値観が著しく違うことにはならない。そもそも違う価値観を尊重することこそ大事だ。
まさに小室さんが述べているように、結婚して共働きすることは「テニスのダブルス」を組むことに似ている。一方が打ち返せなかった球を、パートナーが打ち返す。一人が職を失っても、一人がセーフティネットになるのである。
そして、結婚したら駒崎さんが言うように奥さんが「褒め大臣」になると男は簡単に自己肯定感を持てます。また、男性も褒めるようになります。なかなか日本の男性はナンパ師でない限り褒めるのは苦手な人が多いと思います。僕も子供は褒められても、妻を褒めるのは未だにギコチナイ気がします。
また、一日一回は夫婦揃って話す時間を短くても持つことは僕も大事だと思います。僕がスマホを持ち出し、ツイッターでつぶやいたり、思いついたらすぐに企画書を書いて仕事ばかりして、今まで大事だった一緒にドラマや映画を観る時間が減ったときにドバっと不満を打ち明けられました。それ以来、ケータイの電源すら切って一緒に何かを見たり、話したりする時間を作っています。
また、この本にも書かれているとおり、エクセルで人生設計を作って、討議します。我が家では、僕がつくって子どもの就学資金などのシュミレーションをよく行います。これは定期的に行わないと、我が家は不安定な収入なので、危険です。かなり慎重にリスクヘッジを加味して計画を練ります。
「男性にとって育児はサバティカルだ」というのも名言だと思います。僕は長女の子育ての時に、長く原稿を書くのをやめるようにかなり仕事を変えました。僕は家で仕事をしていますが、当時でも打ち合わせはありました。しかし、妻のうつ病に関しても仕事関係者に話しておいて、自宅近くでの打ち合わせにしてもらったりしました。できないと思っていたことが、思い込みであったことを知った時期でもあります。
ですから、「お金がないから結婚する」でもOKとこの本にあります。貯金は結婚してから始めても大丈夫です。その時に、夫婦してコミュニティの様々な講座や集まりに参加して人脈を作るととても「時間投資」が有効になります。
僕の場合どんどん長男の時に保育園に関わっていくことで、待機児童の実態や保育園側の思いなどを見ることができました。また様々な子供の発育状況を見ることができたのは大きかったです。長女は再来年の3月で卒園ですが、それまで送迎はするつもりですし、そうすると足掛け11年の保育園変化を見ることになります。また、僕は長男の授業参観にも行きますし、教育相談や家庭訪問にも同席します。
不安だからこそ二人で泳いでいく。そんな発想や具体例がたくさん盛り込まれています。僕が長男の育児を始めたときは乳児院退所後でしたが、妻の病気のこともあって苦労に苦労を重ねました。当時は、一人で子供を育てる辛さに打ちひしがれていました。
そこで長女のときからは二人で育てるようにしたのです。そうしたら、妻も娘が服を自分で選ぶようになったりするとなんだかんだと楽しく子育てをしています。また、意外にネットワークを作るのがうまく、マンションなのにご近所づきあいもあります。
とりあえず、価値観を確認したら、結婚って選択肢は決して悪くないと思います。
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