「のび太という生きかた」なんて本がロングセラーになるとは思っていなかった。
そもそもこの本が新宿紀伊國屋書店本店の一階に並べられていたとき「トンデモ本?」と思って
中身を見ることすらしなかった。しかし時は流れ「ちょっと読んでみようかな」と思ってみたら、一般人には新しいと思えるドラえもん解釈がたくさんだった。もちろんのび太の生き方の解釈も。
ドラえもんは、ダメなのび太を助けてしまうからこのモデルは幼児的万能感を保存させる文脈で解釈されてきたし、僕もそう思っていた。
けれども様々な「支援」を「伴走」に近く考えるようになってこの本の内容がすっと頭の中に入ってきた。
著者が「達成感や爽快感によって苦手意識は克服できる」という一節は意外だった。要するに、ドラえもんはチャンスは与えても乗り越えるのは、のび太自身という描かれ方をしている話がドラえもんには多い。
逆にできないものは、のび太ができないことを自覚させるために達成できない道具を与え、幼児的万能感を去勢している。
それとのび太は後先のことを考えずに、今やりたいことに全力を向ける。これも著者が指摘するまであまりドラえもんの中で考えなかったことだった。先行き不透明なことだからこそのび太の生き方は今の若者、否、ゼロ年代の若者の先取りだったような気さえする。
「夢も具体的な目標の一例です。のび太のように目標を声に出して自己宣言すると、目標に向かってファーストステップが形になります」
これはきれい事のようで、みんなができていないこと。そしてのび太なりの努力、ベスト・エフォート=ベスト・パフォーマンスで良いのだ。パーフェクト・パフォーマンスなんか求めたら挫折から立ち直れなくなってしまう。
PDCAサイクルのPDだけの繰り返しが実は行動の初期気持ちを支える原動力になる。そんなことを思わせてくれた一冊だった。
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