『何が不自由で、どちらが自由か』(河合教育文化教育研究所)の漫画版。これはアニメ化もされてり文科省の推奨作品にも否定されている。
牧口一二さんは、幼くしてポリオに感染し右足が動かなくなった。しかし、様々な努力によってイラストレーターの会社を設立した。その会社に、ある日「俺は四国の障害者やー」と電話が来る。
それがこの物語の主人公、宇都宮辰範氏である。
骨形成不全症という難病で、左腕だけが動く。この病気を罹患している人に僕は会ったことがあるが、その人はセキで骨折してしまうレベルだった。
しかし、宇都宮氏は、様々な人に手伝ってもらいベッドのまま長期旅行をする。四国から大阪の牧口さんの会社まで、延べ100人の手を借りて着いたと言う。
驚きなのは、様々な人々に出会うために近距離の移動しか手伝ってもらわないという点だ。しかし、宇都宮氏はそのほうが多くの人に出会えるという。
そして数年後東京で宇都宮氏は、重度健全リハビリセンターを開設する。ここは炊事洗濯もできない大学生たちが宇都宮氏の介護を通じて生活力を身につけるというもの。宇都宮氏は炊事洗濯もできない生活力のない人を重度健全者と呼んだ。
宇都宮氏は、ここで自分ができないことを自覚しており、そこで助けてもらうならなんでも出来る専門家よりなんの知識もない学生たちに障害の現状を知ってもらいながら生活力を身に付けて、しっかりできるようになったらすぐに新しい人に交代させるスパルタ形式を使った。
そんな彼もこの社会で一番怖いのは、「無視と孤立」。人が信じられなくなるのが一番怖いというのは健常者も同じである。
また重度健全者には2つのタイプがあり、ひとつは、何もかも人任せで、生活力のない人、社会的差別とか攻撃を受けていないから人の痛みがわからないタイプ。
そんなアクティブな宇都宮氏も結婚しても奥さんに排泄を頼めず、ある病気になってしまう。
障害者と健常者の境界とは何なのか?漫画ゆえに色々考えさせられる作品。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
是非、こどもたちのためにJust givingチャレンジへの寄付をお願い致します。